水道管は、長い間の腐食や破損などによって漏水を引き起こすことがあります。
漏水は経済的損失だけでなく、水圧の低下、土壌の流出、陥没などの原因となります。
これを未然に防ぐ為に行う調査が漏水調査です。漏水調査には以下の方法があります。
弁栓音聴調査
簡易音聴棒を使用し、公道上の弁栓（仕切弁・消火栓・空気弁）に伝達する漏水音を聴音し、漏水の有無を判定する方法です。
路面音聴調査
漏水探知器を使用し、路面や弁栓に伝達する音を聴音することで、漏水の有無を判別する方法です。漏水音を漏水探知器で電気的に増幅させ、技術者の聴覚により探知します。この調査は通常騒音の少ない夜間に行います。
確認調査
路面音聴調査で得られた漏水異常個所に対して、ドリル穿孔を行い噴射音を確認することで漏水位置を特定する方法です。
相関工法
相関式漏水探査装置を使用し、２点間（消火栓・仕切弁等）に設置されたセンサーで漏水音を捉え、２点間の漏水音の到達する時間差から漏水地点を発見する方法です。
計量工法（可搬式電磁流量計）
測定には電磁流量測定器を用います。バイパス管路の中間に流量測定器を設置し、管路内を通る水の水圧と流量を測定し、区画内の漏水量を測定します。
計量工法（挿入式電磁流量計）
測定には不断水型挿入式流量測定器を用います。管網の途中のボール式消火栓・分水サドル等に対し不断水にて設置し、流量・水圧・流方向を測定します。
計量工法（可搬式超音波流量計）
測定には可搬式超音波流量計を用います。水管橋や露出管にセンサー取り付け、流量・流方向を測定します。
リークゾーン工法
消火栓に水中マイクロフォンを内蔵したテスタを設置し、漏水音を増幅させて聞き取る方法です。漏水による異常路線を抽出する工法で、作業は水の使用水量が少ない夜間に行います。
多点相関工法
ロガセンサーと解析ソフトウェアの組み合わせにより、一度の調査で複数の漏水を探知し、多点同時相関処理が可能です。これにより広範囲を一度に調査でき、効率的な作業が行えます。また解析ソフトウェアは、自動分析機能や漏水音再生機能などで様々な分析が行えます。
トレーサーガス工法
水素式漏水探索機を使用します。水素ガスと窒素ガスの混合ガスを管路内に注入し、漏水箇所から排出される混合ガスを地表面で探査することによって漏水箇所を発見します。ガスを探知する工法のため、通常の音聴技術では検知できない漏水を発見することが可能です。※水圧試験が不合格となる場合の微小漏水調査
※農業用水管路等の低水圧管路の漏水調査
※漏水音が伝達しづらい大口径管路の漏水調査
監視型工法
高感度音圧センサーを搭載したロガーを消火栓・空気弁など水道管路の付帯設備へ設置します。一定の測定間隔に基づき、“漏水音の最小音圧値”を記録します。ロガーに記録されたデータは、分析器へ無線で送信されます。収集されたデータは、専用管理ソフト上で、しきい値に基づき漏水発生を地図上へ表示。また個々のロガーデータのグラフ化・比較・経時変化を視覚的に捉えることができます。継続的な漏水の監視を行い、管路の維持管理を効率的に行うことができます。